杉村敏之-雑記

文章ウェブの制作、承り〼。

どんだけだけだけだけだけだけ

勤め帰りに立ち寄った会社近くのコンビニ。レジに見たこともないような長蛇の列ができていて何事かと一瞬戸惑う。客らは自分の番がやってくるとレジ越しの店員にタバコの棚を指さして「それ、あるだけ」と命令したり、「マイセンありったけ」と束になった札を数えたり、「カートン全部もってきて」ってリクエストに奥へとすっ飛んでった店員…

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蝉花火。

最寄りの地下鉄の駅から家までの道中は外灯がまばらである。ゆえに夜も深いとよほど月が明るくないかぎりは暗い夜道を歩くことになる。ぼくが家を目指すその道は比較的大きな公園の外周に沿っている。園内に茂った桜の木々が歩道にはみ出す格好で頭上を覆うように枝葉を差し交わしているため、その道は絶望的に暗い。そのうえ雨上がりや湿…

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あー、くだんね。にしても秋はいいよなー。

秋らしい一日だった。通りに面したガラス越し、仕事場のデスクから臨む公園に身なりのよい爺さんが日だまりとなったベンチに腰掛けている。美しい園内の芝生をさやさやと渡る金風に洗われるようにして目を閉じ、物思いにふけったかと思えば、傍らの新聞に目を近づけてなにやら熱心に紙面を追っている。紙面から顔をあげたかと思えば、足下の…

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食いしばるものがない時俺はなにを食いしばる。

お盆前の一週間ほど、微熱が続き、目の疲れがひどかった。なおかつ頭の中がどろりと重く鈍い痛みがいつまでも離れないという結構深刻な体調不良に悩まされていた。なかでも特にやっかいだったのは頭の症状で、それは熱でとろけてどろどろとしたゼリー状になった脳みそが鼻の奥にぽたぽたと定則に漏れ落ちているような感覚で、なおかつそのゼ…

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ボランティアBBQジオラマタモリ

週末に葛西でBBQをやった。なんでも、ボランティア活動の一環の催しで、不必要になったサムシングを持参するというのがその参加条件であるらしい。参加者から集めたエブリシングをカンボジアのキッズに届けるという企画だそうだ。そんな理由もあって、久しぶりに部屋を物色していたら、いろんなガラクタを思いがけず掘り起こして、けっ…

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螺旋でポン。

地下鉄でのこと。戸袋の脇で本を読んでいたら、耳のすぐ傍らで出し抜けに大きな声でなにかしらの文字列を声高に唱え出した男がいて、本を閉じて目をやった。よくよく見ればこの男、知的な障害を抱えているらしく、一定の節をつけながら、腹から朗朗と声を出し、次のようなことをしきりに繰り返している。ピエール、アンドレイ、マリヤ、ニ…

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はがれ落ちた歯は「わたし」。She is my idol !!

川上未映子「わたくし率イン歯ー、または世界」/講談社先週のこと。すっかりと更けた夜に会社でむしゃむしゃスナック菓子を食べていたら、ごろりとなにかが舌の上で転がって、挟みだした指先にあったるは銀のかぶせもの。折しも、川上未映子の「わたくし率イン歯ー、または世界」という素晴らしい小説本を読み返していたところで…

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1Q84 BOOK3

村上春樹の「1Q84BOOK3」を週末に買った。本屋で発売日に本を買うなんて何年ぶりのことだろう。発売をとても楽しみにしていた。まだ「BOOK3」をまったくと言っていいほど読み進めてはいないけれど、結論から言えばこの「1Q84」はエンタメ小説と割り切って読むと恐ろしくおもしろかった。いやー、もー、まじで、やば…

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壊れた電気スタンドとランプが示唆した狼狽パターン。

続けさまに電化製品や家電が壊れるって巷説は、ほんとうにほんとうで、最近立て続けに自室のスタンドとランプが壊れた。一つはベッド脇に置いてある読書用の電気スタンドで、とにかく明るいのでやたらと首の長い使い勝手の悪さが気にいっていなかったものの長いこと我慢をして使っていた。それを起きしな、けたたましく鳴る携帯のアラームを…

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掲示板の標語の件。

日付も変わって、3月4日。いやーめいてきたね。なにがって、春がさ。いやーめいてきた、めいてきた。すっかり春めいてきたのは結構なことだけど、持病の花粉症の発症で少々ナーバス。でもってあるいはそれ以上に近頃おおいに困っていることがあって今日はその話。というのも、通勤で往来する路に、地域の掲示板めいたものが立って…

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チャリ屋の枯れた爺さんとだぶるもの。

家から最寄りの地下鉄の駅までは通勤路で、かつては通学路でもあった。その路沿いに昔から小さな「三ツ沢サイクリング」というチャリンコ屋があって、子供の時分に愛車のパンクを直してもらったことが幾度かある。簡単な修理みたいなものには、お代を求められたこともなく、子供ながらにどうやってこの爺さんは生計を立てているのだろうかと首…

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